新しいことを始めるのには、すごく勇気がいて、始めようかどうしようかと悩んでいる間に時が経って、結局やらないままになってしまうことも、よくある。
自分から自発的にやり始めることだけでは、あまりやっていることが広がらないのではないかと思い、他人から半ば強引に参加させられたりして、薦められることも、受動的なようで、新しいことを始めるという意味では大事なきっかけなのではないかと思うようになった。何もかも自分で進んで取り組めるほどの力もないし、自分が興味のあるものを選んでいるうちは同じ範囲の中に留まったままだ。
アメフトはルールが複雑そうで、日本にいた時には、全く観ていなかったのだけれど、同僚から薦められて、Fantasy Footballというゲームに参加した。これは、自分たちで選手をドラフトして、実際の試合ごとに、それぞれのチームの選手がどれだけのYard数を稼いだか、タッチダウンを奪ったかなどでポイントが加算されて、合計ポイントを競っていくゲームなのだけれど、アメフトを見るきっかけになってとても良かった。
アメフトを知っている人と知り合いになれて、バーで一緒に見るという楽しみを経験したのも、継続的に見ていこうと思う大きなきっかけだ。
会社のBuddy Programというものに参加してみている。これは、こちらのローカルスタッフと、日本からの派遣職員がBuddyを組み、イベントや食事を通じて、親交を深めていくプログラムだ。
Buddyになった香港系アメリカ人が、ボルタリングに行こうというので、一緒に行ってみた。
実は、家のすぐ下に、ボルタリングジムがあるのだけれど、なかなか足を伸ばせないでいた。
有無を言わせず、参加させるという引き込みの強さに、少し圧倒されながら、実は興味を持っていたことを伝えると喜んでいた。
まだ、ボルタリングに関しては語るほどのものを持っていないので、書かないでおくけれど、新しいものに取り組むのはいつだって、気持ちが良く、そしてやはり勇気もいる。
新しいことを始める一方で、本当はやめたいと思っていることも、結構いっぱいある。
例えば、いまだに、日本のプロ野球速報をリアルタイムで追いかけてしまう傾向にあって、せっかくNYにいるのだから、せめて、MLBだけにしようと思ってはいるのだけれど、やめられない。
何かをやめるということを決めることは戦略だと経営の先生が言っていたけれど、それは人生にも当てはまる。やめるということは難しい。やめれば、それだけ人生の時間ができるはずとわかっていながらやめられない。新しいことを始めたら、それに時間を使うので、やめたいことをやめられるだろうか。きっとそういうものでもない。
そういえば、ちょっと話が違うけれど、Buddyになった香港人の女性が、面白いことを言っていた。ひいきのチームが勝つと、ファンはみんなWe win the game!というけれど、負けるとThey lost the game…と突き放す。心理的な距離感は、自分たちの感情とともに近くなったり遠くなったりするものらしい。
Yankeesの2022年が終わった。The BronxのファンたちもThey lostと言っているだろうか。