Atlanta Bravesの本拠地Truist Park。
Tampaから向かったので、前日のTropicana Fieldとの差を感じる部分もあるのだけれど、
このTruist Parkはボールパークとしての完成度が高い。もしかしたらこれまでで一番高いかもしれない。
子供が遊べるエリアが外野席後方にあることや、大人が飲み食いできるバーやレストランが球場に備えられていることはもちろん、球場に至るまでのThe Batteryと呼ばれる店舗が立ち並ぶエリアで試合開始前後に家族で食事をとることができる。
野球を観るだけではなく、一日家族で楽しめる工夫がそこかしこに溢れている。言い方を変えれば、観客にお金を落とさせる仕組みがちりばめられている。
球場巡りをしていて感じるのは、球場の価値はハード面だけではなく、ソフト面との融合によって高められるということだ。
ソフト面というと、球場職員やレストランなどの店員の応対に目が行くと思う。もちろんそれも大事だけれど、野球というスポーツは観客を呼ぶ商売である面がある以上、どういう観客が来ているか、その観客たちがどういう立ち振る舞いをしているかが重要なのだと気づかされる。
Bravesは過去幾度もプレーオフに進出し、1950年以降は3回、ワールドシリーズを制覇している強豪。
ピンチの場面での暖かい拍手と、チャンスの場面でTomahawk Chopと呼ばれる腕を斧に見立てて上下させる独特の動作・掛け声を観客が主導する。みんな、野球をよく知っているのだ。
球場に足を運びたくなるのは、やはりチームが強いからだろうけれど、それとともに自分たちの応援が届いている、みんな一緒になってTomahawk Chopをやるという体験が大きいのではないか。
そういう意味でも、ボールパークとしての完成度が他よりも一段抜けていると感じた。そこに集まる人が、その空間を創り出す。
試合は、Washington Nationalsとの一戦。Bravesは40歳のベテラン投手Morton、Nationalsは今年メジャーデビューした左投手Parkerが先発。
Mortonの熟練みを帯びたピッチングを期待したいところだったが、初回からポンポンとヒット、ホームランを打たれ、3回までに6失点。一方Parkerはパワー系のフォーシームと、チェンジアップを組み合わせてMortonのお株を奪うような老練さを感じるピッチング。
7回まで0-8と一方的にNationalsがリードする展開。7回裏に、Bravesもホームランなどで4点を返したが、なおチャンスの場面でAlbiesがゲッツーに終わり万事休すの雰囲気に。Bravesはランナー一三塁の挟殺プレーで簡単に点を許し、守備の甘さも感じた。
そういえば中学時代に幾度も繰り返した挟殺プレーはまさに練習のための練習で、練習の精度が上がることになんとなく満足していたけれど、本番で使わなければ宝の持ち腐れ。
細かい点なのだけどBravesはイニング間に内野陣がゴロを捕球するのではなく、一塁手とノーバウンドのキャッチボールをしていた。これには何か意図があるのだろうか。一塁手にとってゴロを転がすよりも送球の練習になるということか。
実は前日の試合で昨年のMVPでもあるAcnia Jr.が走塁中に怪我をして戦線を離脱。Acniaを欠くBravesにNationalsの救援陣を打ち崩す力は残されていなかった。
また、この日は、National Holidayの一つであるMemorial Dayで試合前には外野に星条旗が広げられるなど、特別な演出が見られた。祝日ということもあってか、老若男女、世代を超えて野球を終わった後も家族で時間を過ごしていて、そんな姿が強く印象に残った。