エッセイ

Sleep no more

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まず、「観に行った」という表現が合わないのが、Sleep no moreの特徴で、演者を追いかけたり、追いかけることをやめたりして、僕たちが、そのストーリーの中に入っていくことができる。

まず初回は、何も先入観を持たず、予習をせずに行ったほうがいいと薦められたので、本当に簡単なマクベスのあらすじだけ頭に入れて臨んだ。

ネタバレになるほど、完全に理解できていないので、ネタバレの心配はないと思っていただいていい。

舞踏会や晩餐会のシーンが複数出てくるのだけれど、僕は2回しか追いきれなかった。ストロボのような殺人の場面が特徴と書かれた記事を見るけれど、それも、追っていけなかったように感じる。その代わり、同じ殺人の場面を2回見て、時系列の感覚を失った。

一人の登場人物を追い続けると、そのほかの場面が見れないことになり、見失う部分もあるのだろうか。

観客が、思い思いに演者を追いかけることで、どの観客も違ったものを見ているように感じる。そのこと自体が特殊だ。先ほど書いたように、途中で、同じ場面を2回見ているような錯覚に陥るが、その関係性も少し不明なままだ。

マクベスを予習していくというよりは、もう少しSleep no more自体を研究して、次回に臨みたい。そう、1回では咀嚼しきれず、次も味わいたいと思う作品なのだ。自分の能動的な視点によって、作品の違う部分を味わうことができるだろう。

NYに来て、これまで味わったことがない体験をしたい方には、おすすめだ。

そして、この作品は、誰かと一緒に行って、あの場面はどういうことだったのか、語り合うことに向いている。

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