MLB21球場目はCincinnati Redsの本拠地であるGreat American Ball Park
Cincinnati Redsは、MLB最古の球団で、1869年に設立したRedstockingsが前身となる。
Cincinatiを訪れたら、Reds Hall of Fame and Museumにぜひ足を伸ばしてもらいたい。
Redsの前身であるRedstockingsの活躍や、Cincinatiという街で、女性の野球チームや、Negroリーグのチームが発展していたことが展示されている。
Cincinnatiも先日訪れたSt Louis同様、ヨーロッパ系の移民が入植して発展した街なのだが、Baseballの歴史を見ると、多様なものを受け容れる土壌があるように感じた。
そろそろ、3分の2を過ぎた野球場をめぐる旅なのだけれど、どの都市をおすすめするかと言われたら、こういった歴史を感じられるという意味で、野球ファンにはぜひ、Cincinnatiに行ってもらいたい。Cincinnatiという都市は日本人にはなじみがないと思うけれど、だからこそ、行ってみる価値があると思う。New Yorkから飛行機で2時間だ。
歴代数多くのスタープレイヤーがRedsには在籍してWorld Championにも5回輝いている。特に1970年代のチームは、Pete Roseを中心に強力な打線が売りだったことで知られる。
Pete Rose自身は、後に野球賭博に関与していたことが発覚し、MLBを永久追放されているが、RedsのHall of Fameには名を連ねていて、この博物館にも展示がされている。地元ではPete Roseは英雄なのだろう。そういった受け止め方の違いも感じることができる。
Redsの本拠地Great American Ball Parkをおすすめしたい理由は、実はほかにもある。Redsのロゴは、Cincinnatiの頭文字から取ってCが使われており、チームカラーは赤。そう、広島東洋カープのユニフォームにそっくりだ。(ちなみにカープのユニフォームはClevelandのユニフォームを参考にデザインされたという説があるようだ。)
ただ、個人的には、現マツダスタジアムを設計する際には、関係者の方はきっとこのCincinnatiのGreat American Ball Parkを訪れていたのではないかと思う。一面赤色の椅子のスタンドや、川が流れている街並みもどことなく、広島を連想させる。僕はカープファンというわけではないのだが、マツダスタジアムに観戦しにいったときに、その芝と観客席の美しさに目を奪われた。芝に映える赤色のユニフォームや、街全体で球場に赤色のユニフォームを着て繰り出していくあの光景もやはり好きだ。
Great American Ball Parkでもそういう光景を味わうことができる。ぜひ、マツダスタジアムとの違いや似ているところを感じてもらいたい。
この球場、実はグルメ的な観点でもポイントが高い。
Cincinnatiが地元である友人に、事前にCincinnati名物を教えてもらって、この都市に乗り込んだ。なんと、Skyline Chill、Graeter’s Ice、Rhinegeist BreweryといったCincinnati名物の数々をこの球場で味わうことができるのだ。球場でのおすすめとしてはやはり、Skyline Chillのホットドック。溢れんばかりの豪快なチーズの乗せ方がたまらない。
野球に話を転じたい。Reds対Mariners戦。
どちらのチームも数年ぶりにポストシーズン進出を目指して、熾烈なペナントレース、ワイルドカード争いをしている。
Redsの注目選手は、ルーキーのElly De La Cruz。超大型ショートで、絶賛ブレーク中。塁に出ると果敢に次の塁を狙い、一気に盗塁を重ねてホームスチールまで決めたこともある。大型ショートというのは観ていて楽しい。スローイングやスナップにしなやかさを感じる。センターなど外野を守りそうな体型なのにショートをやっている驚きもある。
Marinersは、昨年からブレークしたJulio Rodriguez。WBCでは痛恨の後逸をしていたけれど、彼のセンターの守備は華がある。打撃も8月くらいから好調で、この日も劣勢の中、一発を放っていた。
試合は、De La Cruzのタイムリーなどで先制したRedsが終始有利に試合を展開。中継ぎに出てきたピッチャーも先日のSt Louisとは異なり、安心して見ていられる内容。プレーオフを争っているチーム状況もうなずける。
少し話がそれるけれど、RedsからMarinersに移った選手に対して、Welcome Backとスクリーンにも映し出して迎え入れるReds球団やFunは素敵だと感じた。やはりここでも受け容れる姿勢を感じる。
先ほど書いたとおり古くから、女性野球球団がこの地では発展していたこともあり、球団のマスコットに女性マスコットも採用されている。お世辞にもかわいいとは言えないのだけれど、その歴史を大事にしている感じがいい。
ただ、唯一気がかりなのは、プレーオフ進出を争っている状況なのに、客席には空席が目立ったこと。1990年のワールドシリーズ制覇からワールドシリーズに遠ざかっている球団としては、若い選手を中心にするこのチームで、栄冠を勝ち取りたいところだろう。
チームの勢いと、少し穏やかなファンたち、MLBの歴史に思いを馳せながら帰路についた。
https://www.mlb.com/gameday/mariners-vs-reds/2023/09/04/716727/final/wrap