エッセイ

Comerica Park 06/23/2024

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クリーブランドからデトロイトへはAmtrakの電車とバスを乗り継いで向かうことにした。

毎回、飛行機を使うのでは味がないし、車でも行ける距離なのだから、地上の交通機関を使おうと予約をしたときに思い立った。

予約をした時と実際に旅行に行く時との間に時間的な隔たりがあって、いざ旅に出てみるとなんでこのホテルにしたんだろうとか、もっと違う行き方にすればよかったと思うことも多々ある。

クリーブランドを4:03amに出るAmtrakという鉄道路線(一部バスも含む)で向かうべく、午前3時台にホテルを出た。

クリーブランド駅に着いた時にはまだあたりが暗く、駅にも3人くらいしかいなかった。駅はこじんまりとした感じで薄暗かったけれど、電車を待つ人に何か危険を感じるわけではなかった。

午前4時になっても、電車が来ないので念のためホームに出て電車が本当に来ないのか確認した。

その後で、電車が2時間遅延しているというアナウンスを聞いた。

特急電車で2時間の遅れが何故発生するのか、どこかの機械トラブルなのか、人身事故でもあるのだろうか。考えても仕方ないので、薄暗いクリーブランド駅で2時間待った。

一つ懸念点があった。僕は途中のトレドーという駅でバスに乗り換えることにしていて、これもAmtrakのバスなのだけれど、念のため、バスがその駅で待ってくれているかクリーブランドで確認しておいた。「I have no idea」と言われるかと思ったけれど、幸いなことにバスはトレドーで僕たちを待ってくれているらしい。

そんなわけで、デトロイトに着いた時にはすでにちょっと、いや、かなり疲弊していた。デトロイトのダウンタウンには休日だからか人通りが少なく、かつて自動車産業で栄えた街の衰退感も勝手に感じた。

少し話は変わるのだけれど、MLBの球場に持ち込める荷物のサイズには制限があって、リュックサックほどの大きさの荷物は基本的には持ち込めない。

ホテルに宿泊する日はホテルに荷物を置いておけばいいのだけれど、今回のように旅程の一部分でホテルを利用しない日があると、僕は最近Bounceというアプリでタイムシェア的に荷物を管理してくれるお店に置いておく術を覚えた。1日当たり$7程度。

デトロイトでもダウンタウンではなく少し東に行った普通の酒屋みたいなお店がこのBounceの対象店舗になっていたので、ここでリュックを預けた。

当然、何かあってはいけないので、貴重品やパソコンなどは預けない。

実は、先日ピッツバーグでこのBounceを活用してゲーム機器屋さんにリュックを預けた。

野球観戦を終えてリュックを受け取りに行くと、店側で管理していた荷札が見当たらないという。何となく、不穏な雰囲気を感じたけれど、平然と店のカウンター内部に置かれているリュックを自分のものだと主張し、事なきを得た。

信頼関係で成り立っているサービスだけれど、信頼しすぎてはいけないと思っている。

さて、前置きはこの辺りにして、野球の話。

タイガースの本拠地Comerica Parkは、何といっても虎の印象が強い。

入場ゲートで何頭もの虎の像が観客を迎えてくれて、結構壮観だ。

虎のメリーゴーランドで子供たちが遊べるほか、バッターボックスにタイガースの選手が入る時も、虎がガオッーと文字通り雄たけびを上げる演出がスクリーンに映し出される。

MLBでマスコットやチーム名にもなっている動物をこれだけ利用している、愛している球団はタイガース以外ないのではないか。そういう意味で、虎好きの方にはぜひ訪れてもらいたい。もちろん阪神タイガースファンにも。ちょっとこちらの虎は、阪神タイガースの虎のマスコットと違って、何となく威圧感があるが。

試合はホワイトソックスとの一戦。タイガースもホワイトソックスも負け越している。特にホワイトソックスは今年全然だめでシーズン100敗に届きそうな勢いで負け続けている。

僕が好きだったショートのTim Andersonはホームランを全く打てないということでマーリンズに放出された。ただ、今日のショートの守備を見ているとTim Andersonならばアウトにしていたなというプレーがいくつかあった。

弱さの原因というのは何なのか、一言でいえば打てない、守れないということなのだけど、チーム全体にあきらめムードがある感も見受けられる。

この日も初回、2回と先発ピッチャーが大量失点をくらい、2回時点で0-9とタイガースが一方的にリード。2回で早くも試合が決まった感があり、そのまま終わった。見どころに欠ける試合だった。

デトロイトとシカゴはそんなに地理的に離れているわけではないけれど、観客席には空席が目立った。ただ、タイガースファンの中にはオールドファンも多く、老若男女地元のチームを応援しているのは微笑ましい。

米国北部では珍しく、選手名を名前で呼んで応援している姿に地域に密着した球団であることを感じさせた。

帰りはおとなしく、飛行機でニューヨークに帰ることにした。

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