エッセイ

Central Parkを走る

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日曜日に、日本人のプチランニングサークルみたいなものに参加していて、Central Parkを走っている。

日本にいた時には、ランニングはあまりしたことがなく、こうやって走るのは久しぶりだ。5kmを超える長い距離に至っては、ほとんど初めてと言ってもいい。

「NYに来たら、やりたいと思っていたことの1つが、Central Park Runでした。」というわけでもないのだけど、今、住んでいるところがあまりにもCentral Parkに近いのと、何かのコミュニティに入ることによって、独り身のちょっとした孤独を癒してくれる。そんなわけで走ることにした。

Central Parkを訪れたことがある方は、ご存じだと思うが、数多くのランナーを見ることができる。もうこの時期は、上半身裸のマッチョな男たちも珍しくない。鍛え上げられたセクシーな女性たちも沢山いる。中には、半分仰向けの状態になりながら、足で漕ぐバイクで走っている人もいる。あれは、何というのだろう。何が楽しいのか、まったくわからないが、走っていてつらいときに、きっとあれを漕いでいる人はもっとつらいだろうと、苦しさを和らげてくれる。

プチサークル自体は、Columbus Circleを日曜の8:30にスタートして、7kmほど走るのが通常のコース。ハーフマラソンやフルマラソンに参加している方が多く、僕は、ただただ付いていく存在だ。

昨日、8:30にスタート地点で待っていたのだが、だれも来ない。僕は、仕方ないので、こういうこともあるかなと思いながら、1人で走り始めた。

気温が高かったのと、1人で走ることも重なり、3km程度で、あえなく終了した。

1人で走ることがこんなにもつらいとは思わなかった。誰かと一緒ではないと何もできないように感じる変な無力感が残った。ただ、日ごろの生活もそうだけど、いつも誰かと一緒に走れるわけではない。1人になった時にこそ、真価が問われるんだと、妙に人生に置き換えたりして、帰路に就く。

Central Parkの深みを増した緑が目に染みた。

Central Park
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