MLB20球場目は、St Louis Cardinalsの本拠地Busch Stadium
Cardinalsは、MLBで初めてファーム球団を作った球団でもあり、歴史的に選手育成に長けているチーム。
Kansas Cityに行ったときに、Uberの運転手がSt Louisの治安はひどくなっていると言っていたので、正直、あまり街への期待感は高くなかった。
St Louis自体は、アメリカの西部開拓時代の西部への玄関口として栄えた都市で、古くはドイツ系の移民が多かった。
僕も野球観戦前にBudweiserで知られるAnheuser-Busch St Louis Breweryの見学ツアーに行った。
このBusch氏がCardinalsの本拠地のネーミングライトを持っていることからも、比較的白人中心の都市であることを感じる。
今回、ダウンタウンのホテルに泊まったけれど、St Louisの優れている点として空港からモノレールでダウンタウンまで1本で来れるという点だ。ただ、ダウンタウンを含めて街中は、野球場以外は閑散としている。人が少ない都市は、それだけ人目につきにくく、怖さがある。
話をBusch Stadiumに戻したい。
この球場も、ダウンタウンの街中にある球場で、野球が始まる時間になると、Cardinals RedのTシャツやユニフォームを着た老若男女が、スタジアムに向かいだす。この光景が好きだ。
日本に帰ったら僕も、ユニフォームを着てどこかのチームを応援に行こうと思う。
球場自体は、席の色も赤色に染まっていて、観客が入るにしたがって熱を帯びていく。
他のMLBの球場と同じように外野席後方には、子供たちが遊べるスペースがあり、小さなCardinalsファンが楽しんでいる。
外野席の球場外に、外の席から野球を観ながら飲み食いできるレストランがあって、もはや球場の外なのに球場と一体化していて、こういう席で野球を観るのもいいなと思わされる。
Milwaukeeに行った時もそうだったけれど、St LouisもBreweryで売り出しているということもあり、球場内にもドラフトビールを飲めるサーバーがある。しかも、他の球場よりもお安く12ドルで飲める点もポイントが高かった。(他の球場はたいてい15ドル)
今回、一塁側のSection141のRow7の席を購入していたのだけれど、行ってみて、椅子にクッションが付いていて、いい席を買ったのだなと認識した。今回は、この席で少し他の観戦とは違う体験をすることになる。
僕が座ったのはちょうど、白人家族の間と間。右に座ったLisa家族はしきりに写真を撮ることをすすめてきてくれる。歳の頃60代後半。
左に座ったSteveの家族は、大学生になる息子さんとその彼女と一緒に来ていた。話をするにしたがってわかったのだけれど、この席は、Wells Fargoのシーズンチケットになっているらしく、同社に働くSteveはその一環でこの日も観戦に来ていた。
Steveの父親は1942年にSt Louisにドイツから移り住んだらしい。第二次世界大戦が終わり、ドイツに戻ってみると10人兄弟のうち男性の兄弟は父と一人の兄を除き、皆亡くなっていたと話していた。Steve自体は、ドイツに行ったことはないらしい。
このような話を滔々と野球を観ながらしてくる。あと、いとこがポケモンカードの世界選手権に出場するらしく、横浜を訪れているらしい。彼自身は、海外には数年前にギリシャに行っただけ。アメリカ人が全て海外に積極的に出て行くわけではない。
途中で、Steveに、この席の前方に座っている女性からビールがプレゼントされて、アルコールを飲まないらしいSteveは僕にそのビールをくれた。
少し流れがつかめない展開だったけれど、ありがたく頂戴することにした。なんとなく、豊かさとゆとりを感じる展開ではあった。
野球に話を転じたい。
Pirates戦。どちらも、今年はプレーオフ進出が難しくなっている。それにも関わらず球場には38,000人を超える人が集まっていて、この都市の野球への熱を感じた。
Cadinalsは、力のあるバッターがそろっている。WBCでも話題を集めたLars Nootbaarが1番を打ち、その後に、GoldschmidやArenadoが控える打線は強力。
ただ、この日の試合もそうだけれど、ピッチャー陣が弱く、特に中継ぎになるとポンポンと簡単に点を取られる。いくら点があっても足りないという感じで、野手陣もたまらないだろう。
内外野の守備を見ても、どの選手も守備範囲が広く、ミスで負けるようなチームには思えない。単純にピッチャーが、打たれすぎているのだろう。
この試合は、プレーオフをあきらめているチーム同士とは思えないくらい、最後の最後まで目の離せない展開になった。途中、Nootbaarが復帰後初のホームランを放つなど、日本のファンとしても楽しめた展開だったと思うけれど、球場にはほとんどアジア系はいない。
6-7でCardinalsが1点を追う9回裏、1アウト2、3塁のチャンスを作り、Nootbaar、GoldShmidに回ってきたが、敢え無く2人も打ち取られてゲームセット。2アウトになった際に1塁が空いているのに、なぜGoldshmidと勝負したのかは未だに謎だけれど、勝負を楽しむということなのか。
試合後、Intenseないい試合だったねとSteveとLisaと声を掛け合い、St Louisの暖かさも感じた夜だった。1人で野球を見に行くのもこういう出会いもあり、悪くない。
https://www.mlb.com/gameday/pirates-vs-cardinals/2023/09/02/716744/final/wrap