
Bostonに出張していた。
この米国赴任の中で数多く訪れることになった都市、Boston。
きっといつか振り返る時に思い出す街になるのだろうと感じている。
NYから飛行機で1時間半なのに、毎回なんだかんだ遅延などがあって、定刻通りとはいかないのが常。
それならば、高速鉄道のAmtrakを使えばいいのにという意見も頂いているのだけれど、Amtrakにだって、遅延やキャンセルはある。
Bostonに行くときには、なぜか羽田から岩国錦帯橋空港によくフライトしていたことを思い出す。ちょうど、同じくらいの飛行時間かなとも思う。
現地でお客さんを案内したり、合流したりすることが多いのも共通点。
時に自らの至らなさを感じながらも、その時なりのベストを尽くしたいという想いで機上の人となる。
Boatonの冬は寒い。寒いので冬に訪れるのは極力避けてきたけれど、今回はぎりぎり冬のBostonを味わうことになった。NYよりも、体感気温としては5℃ほど低い。
少し時間があったので、高級住宅街のBeacon Hillに足を伸ばした。
突然のようだけれど、僕は坂が好きだ。
米国に来てもそれは変わらないのだけれど、情緒ある坂を探求するまでには至っていない。
Boston Commonの北に位置するBeacon HillにあるAcorn Stは、至極の坂だった。
坂を訪れるときに、坂の構成要素に想いを馳せる。
坂を歩く時の質感、坂を囲む側面、勾配、道幅、歴史と文化。
そういったものを出来る限り感じたいと思う。
僕は比較的道幅が狭く、坂を歩く時の質感として凹凸がある坂が好きだ。そのうえで、その坂の歴史を知ることができれば文句はない。
AcornStは、その全てを兼ね備えていると思う。特に舗装されていない石畳の凹凸感が素晴らしい。
この坂は静かな住宅街にたたずんでいる。Residential Quiet Areaという標識が設置されている民度の高い住宅街だ。
坂を訪れるときに、必ずしているのは、坂の中腹で振り返ることだ。
坂に向かい合う時に、最初は坂を登り始めることが多いが、その途中で振り返ってみて勾配とそこから見える景色を確認したい。
Acorn Stは思わず、二周してしまった。
距離としては短く、30mもないと思う。
Bostonを訪れるときには、必ず訪れたい。
四季によって坂も表情を変え、それをまた見たいと思う。
素敵な体験になった。