エッセイ

アナログさ

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LowerManhattanにNY州の宅建にあたるReal Estate Salespersonの試験を受けに行った。

実は昨年の秋ぐらいから本腰を入れ始めて、77時間にわたる指定機関のオンライン講座と1次試験を終えて、この2次試験に臨んだ。77時間オンラインで講座を受講しなくてはいけないのが結構苦痛ではあった。

と言っても、試験内容としては大したものではない。4択で75問。

英語の試験なのだが、会場に行ってみると中国語でも試験を受けられることを知った。中国系の人がそれだけ多いということだろう。

英語の試験に臨んでみて思うのは、自らの記憶力の低下と、英語で記憶するという能力の低さである。例えば、建物の構造の一部であるJoistsとStudsのどちらがVerticleかHorizontalか、なんだかなかなか覚えられない。しょうもない話ではあるけれど、そういうことを感じる。やってみて初めてわかる。

指定機関の1次試験は試験会場の専用端末で受けるWeb形式で、その場で結果がわかる。

ただ、この2次試験にあたるNY州の試験は、紙媒体のマークシート形式。思えば、マークシートの試験を久しぶりに受ける。

しかも、配られた問題用紙を見てびっくりしたのだが、使いまわしなのだ。

なんとなく、過去の人がどこに丸を付けたのかがわかる。

それがあっているとも限らず、初めての経験なので、どうしたものかなと少し笑える気持ちを抑えながら解く。

試験官が、しきりに何も問題用紙に書くなと言ってくる。

また使いまわすからだ。

なぜこの街はこのようなところがアナログなのだろう。こういうところを節約する必要や、設備投資しない理由があるのか。

試験の結果も2週間しないとわからないという。紙のマークシートを集めて何かに読み込ませるのに時間がかかるのか。

不思議なのは1次試験とほぼ同内容なのに、一方はWeb、一方は紙で答えるということだ。

この試験、実は受かったとしても本当にBrokerになるためには2年の実務経験が必要で、僕はそれになるつもりはないし、きっと時間の関係上、なれない。

そういうわけで自己満にちかいのだけれど、NY州の不動産ビジネスにおけるルールがわかり、内容としては興味深かった。

それよりなにより、この試験のアナログさがきっと忘れられない。それだけでも価値があった。

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