エッセイ

 街に流されず

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色々と感じることの多い1年も、残すところあと1か月。

NYでは、明日RochefellerCenterのクリスマスツリーが点灯して、本格的にクリスマスモードに。

街を誰もが好きになるシーズンが来ているだろう。

NYに暮らしていると、それだけで、自らも着飾ったような感覚に見舞われることがある。

どこかの外国に1人で住むということをしている人に、なんとなく憧れもあった。

でも、少し落ち着いて考えられるようになって、当たり前のことに気づくのだけど、

どれだけ、街が着飾っていようと、素晴らしかろうと、歴史があったり、犯罪が少なかったり、綺麗だったり、おいしいものが集まっていたり、才能ある人が集まっていたりしようが、

それだからと言って、自分自身がその街がまとう特別感を身につけられるわけではない。

そこで、何をどうするかのほうが、本当に大事だ。遊びで来ているわけでもなく、英語を習得したいと思ってきているわけでもない。

大学に入ったばかりの頃も、大学自体が持つ特別な感覚を身にまとったかのように感じていたけれど、それは違って、そこで、何を学ぶか、いつ気づけるかが大事だったりする。そういうことは得てして、卒業してから気づく。

「NYで暮らすのは格好良い」と出張で日本から来た人は言い、それはそれでありがたい感想かもしれないけれど、この街で暮らすことを目標に生きてきたわけでもない。

いや、たまには満足してもいい。満足して、満足したままではない何かを探したくなるものだ。

いつだって、そうではないか。

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