言わずと知れた大谷翔平が所属するAngelesの本拠地。Yankees戦を狙ってチケットを取った。
この球場は何と言っても、ファンとの距離がとても近い。選手が守る内外野と内野側スタンドとのフェンスはなくて、隔てるものもほとんどない。選手が練習中はもちろん、イニング間のキャッチボールの後も気軽にボールを投げ込んでくる。もちろんファンは大喜びだ。
1階席の3塁側に座った。左打席に立つ大谷を見るには3塁側からの方が見やすいだろうと思った。席と席の段差が小さくて、かなり後ろの席でも、グラウンドとの距離が近いと感じる。日本ではなかなか味わえない近さを味わえる球場で、今まで行ったMLBの球場の中でも、その点では1番だと思う。
レフトスタンド側にブルペンがあるのけれど、ホームチームとビジターチームのブルペンが2段構造になっていて、ホームチームが上側。ビジターチームは結構やりづらいのではないかと思ってしまう。これも特徴的な作りだ。
試合はYankeesのエースColeとAngelesのサウスポーSandovalとの投げ合い。
NYで6月にColeを見たけれど、なかなか打てるピッチャーではない。立ち上がりに少し難があるときがあるけれど、それ以外は支配的なコマンド力を見せる。
この試合はMVPを争う大谷とJudgeとの競演にも注目が集まっていた。
驚いたのは、LAなのに、Yankeesファンがとても多かったことだ。MLBには一塁側、三塁側のどちらにホームチームのファンが座るかという決まりがなく、通常でも両チームのファンが入り乱れているが、三塁側でもYankeesファンの声援の方が多かった。それだけ、NYとLAとの人の移動が多いということなのだろう。
NYに実家があり、今はLAに住んでいるというヤンキースファンが隣に座ったが、2つの都市を味わえる人生はいいと思った。
大谷、JudgeそれぞれにMVPコールが送られるが、圧倒的にJudgeへの歓声の方が大きかった。今年の成績のせいか、それともここにもアジア人に対する思いがあるのか。
こう書きながら、大谷の人気はやはりすごいと思った。日本では日本人以外の活躍はほとんど、取り立たされない。それが故に日本人が日本人である大谷翔平を応援するのは良くわかるけれど、日本人以外の人も大谷の凄さをよくわかっている。アメリカにはそういう人種を超えたリスペクトというのがあり、日本にはそれが少し薄いように感じる。
大谷の活躍があって、Angel stadiumには多くの日本人の姿が見られた。LAなので、そもそも日本人が多いのだろうけれど、前日に行ったPhoenixとの差を感じた。
日本人には是非、日本人が属するチーム以外も見に行くことをお薦めしたい。そうすることでMLBの中での日本人の特異性もわかると思う。
試合はYankeesが中盤まで2点をリードしていたが、6回に2つのエラーと、ファンの乱入という事態も重なって、ランナーを2人置いた状況で大谷に打席が回った。
Coleのフォーシームが甘く入ったようには見えなかったが、それを完璧に捉えてセンターバックスクリーンへ。
Coleがバックスクリーンへホームランを打たれるのを初めて見た。すごい打球で、大谷の凄さをまざまざと見せつけられた。あれだけの球をしっかり振り切ってスタンドまで運べるのは、凄いという他ない。
この試合で目を引いたのはAngelesの内野を守るFletcherだ。小柄だが、パンチ力があって、メジャーの選手はほとんどそうなのだけど、全力疾走を欠かさない。6回の Yankeesの守りの乱れも彼の全力疾走から生まれた。HoustonのAlttuveにも似ているプレースタイルで、体格的は劣る日本人内野手がメジャーを目指すとしたらこういう形なのだろうと感じさせられた。
試合は9回裏まで1点差でわからない展開となったけれど、結局はAngelesが逃げ切った。Yankeesは大谷に打たれる前に2つの内野のエラーが重なっていて、プレーオフを勝ち抜く上では、このような粗い守備が課題になるのだろう。
そこを逃さずホームランにしたバッターがいたので余計にそう感じた試合になった。
https://www.mlb.com/gameday/yankees-vs-angels/2022/08/31/663410/final/wrap