ボストン出張の最終日、午後の予定がキャンセルになったので、街の中を少しぶらぶらすることにした。
ボストンは、魚介類がおいしいし、街は美しくてとても良いのだけれど、今はベストシーズンで、USオープンやら、NBAのプレーオフやらで、とても混んでいた。
帰りの便を早めることとも考えたけれど、追加の料金がかかるし、ボストンの街を観たいと思った。
今から考えれば、これが余計だった。
19時のNYC LGA行きの便が、延期になり、20時になったとの連絡を受けたけれど、18時には、Logan空港に着いていた。ボストンからニューヨークは、飛行機に乗れば、1時間半。東京から札幌ぐらいの距離感だ。
空港に着いて、20時のLGA行きがキャンセルになったと伝えられて、長い列に並ぶことに。
アメリカ人も列にはしっかり並ぶけれど、すごく長い時間が経って、なんだか嫌気がさしていた。列に並んでいる間に、今日の便はもう無いらしいという情報を得た。
Deltaのカウンターのお姉ちゃんのもとに、やっとたどり着けた時には、20時30分くらいになっていた。代わりの航空便を探すねと言われたので、明日の便なのだなと身構えていた。
そのお姉ちゃんは、明後日の朝8時が最速だと言う。絶望的な気分になった。
That is not fair for everybody
Delta従業員
それはこちらのセリフだと思った。でも、このお姉ちゃんを責めたところで時間の無駄だし、予想以上に僕も疲弊している。
とりあえず、飛行機でニューヨークに帰れるのは、明後日なのだと自分の頭を整理した。このまま、空港にいるとしたら、32時間か、映画のTerminalみたいではないか。
とりあえず、水を買おうと思い、歩き始めると、Logan空港は、Hilton Logan Airportと直結していることがわかり、このホテルで、夜を明かそうと思った。
その前に、飛行機で帰ることはあきらめて、格安バスで、5時間かけて、ニューヨークに帰れることが分かったので、それは予約しておいた。
直結しているHiltonに着くと、ロビーには、僕と同じように、行き場を失った人であふれていた。あふれているという表現は言い過ぎだけど、ソファーにそれらしき人がちらほらいた。
一応、受付で一泊いくらなのか聞いてみると、800ドルだという。
さすがに高いので、2階のソファーに移動して、そこで休もうと思った。
そこで休むにしても、会社に一報入れておこうと思い、連絡すると、高くてもいいから、そこに泊まれば、とのことだった。
遠慮なく、泊まることにした。いや、遠慮はあるけれど、これから数時間この2階のスペースで、一人で過ごすのは、安全上、よくない気がした。
翌朝、一番に起きて、7時半にSouthTownを出るバスに乗った。
ボストンからニューヨークが60ドル。格安すぎる。
疲れのせいで、あまり正常な判断はできていなかったが、とりあえず、34PenStationまで連れて行ってくれるというのがありがたかった。
天気は快晴。途中で少しは寝たけれど、満員のバスの中、GoogleMapsを見て、少しずつニューヨークに近づくのがうれしかった。
マンハッタンのビル群を見て、こんなに落ち着いたことはない。
この日のマンハッタンはとても暑くて、30℃くらいはあったと思う。34Penstationに着いて、地下鉄で自宅まで帰った。
たどり着けたことが本当に幸せだと思った。
ボストンは近くて遠い。そう言えばいまだに飛行機がキャンセルされた理由を僕は知らない。