エッセイ

街を愛して

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Upper East Side

Well-beingという言葉が、流行っているのだろうか、よく聞かれる。

この言葉は、「あなたにとってのWell-beingとは」のように使われている。

よくわからない言葉だ。

僕なりにとらえれば、自分や周りのすべてを好きだと思うことから、Well-beingは始まると思う。

その中でも、自分たちが暮らす場所を愛することは、とても大切で見失いがちなことだと思う。

僕は、今、自分の人生の中では一時的ではあっても、NYに住んでいて、では果たして、それを愛せているかと、ふと考えることがあった。

街の印象を聞かれて、咄嗟にでる言葉としては、「汚く、臭い」

それはそうなのだけれど、「でも、実はこんないいところがある」と言いたいと思うようになった。

街を愛して。

探すというか、そのような気持ちで見てみると、NYの街には、美しいものが沢山ある。

壁を彩るアート作品、スカイラインを構成する建物、多様なファッションで道行く人々、人種のるつぼと言われながら、決して、他の人種と交わらないエリア、街を流れる音楽。

数え上げれば、きりがなく、そこで暮らすからこそ、感じ取れる何かがある。

どこかに住むということは、帰る場所があるということであり、それだけで、その街を愛する一つの理由になる。

東京に暮らしていたころに、出張で、東京駅に着くと、なぜか帰ってきた感があって、落ち着いたように、どこかの都市からJFKやLGAに降り立つたびに、帰ってきたという安堵の気持ちがこみ上げる。

ここにしばらく帰ってくるのだから、この街の良さを味わいたい。

いや、日常生活で、気づかぬうちに味わっているのだ。

それをもっと、自覚的に感じて、噛み締めて、共有したい。

2月にしては、本当に暖かく、街に活気が戻ったようで、僕もその想いを強くした。

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