エッセイ

沁みる空~NYの雨と東京の朝~

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NY生活の最後の日々は、仕事にプライベートに慌ただしく過ぎ去った。

「慌ただしい中でも、旅行と挨拶回りには時間を見つけて必ず行った方がいい」というアドバイスをもらい、

それらも実行できた。

連日の送別会にも感謝している。名誉の負傷もあったけれど、それも癒えた。

残り数日ということになって、最後に僕は数枚のカードを書いた。

それは送別会の中で、カードをもらうというのが思いのほか嬉しい行為だと改めて認識したからだ。

本当はもっと多くの人宛に書きたかったけれど、手書きというのは思ったよりも時間がかかるもので、10枚入りのカードを全部使いきることなく、持ち帰った。

もっと早く気づいて準備すべきだった。心残りはそれぐらいか。

最後の数日、NYは雨が降っていた。

2月には珍しい雨。

友人たちが雨の中、ホテルまで見送ってくれた。

「旅立つときに雨が降るのは、その街が別れを惜しんで泣いているから、らしいよ」と雨の意味を語ってくれた。

心に沁みた。

機上の人となり、東京に着くと朝だった。

空港から定額タクシーに乗るために、特定のタクシー会社のタクシーを探していたら、違うタクシー会社のおじさんが、これから帰路に着こうとする回送タクシーを呼び止めてくれた。

「神田まで行けるよな?」

そのおじさん運転手のおかげで、無事、定額タクシーに乗ることができた。

東京の朝の空は霞んでいたけれど、薄い青がこれまた沁みた。

スタートとしては上々だ。

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